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メールなどでもいろいろと「塗装」に関するご質問をいただいています。
・・・・がっ!
じつは、言葉で説明できるほど簡単ではないのです。塗装は・・・・
このホームページで掲載しているギターメイキングの木工作業と
同じくらいの量の「メイキング」が必要になるくらい、
時間と手間をかけて塗装を行っているのですよ


とはいえ、誰しも分からない事は「分からない!」
・・・ですので、ホントに基本中の基本(塗装技術の1/100くらいのさわり)を
ちょこちょこと書いてみたいと思います。

(ご注意/ホントにさわりだけですよ・・・・ここに書いてあるのは、くどいですが・・・)



スプレー塗装の基本中の基本・・・

クリアのスプレーと言ってもいろいろあるんですね
この写真の4本は、たまたま私が手持ちのスプレーを
並べてみたものです。

左から2本がアクリルスプレー(つや消しと艶あり)
で、左から3本目が水性のアクリルスプレー。

一番右が、スプレーでは、 オーソドックスな
ニトロセルロース+アクリル樹脂のスプレーです。
私が以前、使っていたのはこのタイプです。
要するにシンナーくさい奴ですね。

 

 

これはニトロセルロースラッカーにアクリル樹脂・溶剤が混ざった
スプレーの成分表です。(上の写真いちばん右端のスプレー)

通常、ホームセンターなどで販売されているニトロセルロース
ラッカーは、このように合成樹脂(アクリル)と書かれたモノが、
ほとんどです。
ま、 スプレーでのクリアー吹きは、これで十分ですが。

※ 通常、ニトロセルロース ラッカーと呼ばれるモノは、
工業用ニトロセルロースに、相溶性樹脂(アルキド樹脂や
アクリル樹脂)に、溶剤を加えたモノが一般的なようです。
ただ、業務用のニトロセルロースラッカーは、
相溶性樹脂がアルキド樹脂、一方、缶スプレーは、そのほとんどが
アクリル樹脂・・・ で構成されているようです。
ま、メーカーによっていろいろ違いがあるので、
「 ・・・のよう」という表現にとどめておきたいと思います。

これはアクリル樹脂オンリーのクリアですね。
ま、よーするに、主成分がニトロセルロースではなく、アクリル樹脂・・・と言うことですね。
えーと・・・・これは艶あり・・・・ですか。

これは(ちょっと見にくいですが)
成分表を見ると
成分/合成樹脂(アクリル)、顔料、有機溶剤
・・・とあります。
つまりこれも、アルコール系のアクリルクリアーと
言うことになりますね 。
この塗料は、乾燥後・・・(いつになったら乾燥するんじゃ!)
というくらい、乾燥した後も柔らかいです。
ピカピカに磨くのは、ちょっと無理・・・と感じます。

さて、
このスプレーにはわざわざ「水性」と表記されています。

いつも書いている事ですが、塗装(着色)を水性塗料で行うので
あれば、仕上げのクリアはやはり同じ水性で行いましょう。
しかし油性(シンナー系)の塗料(着色)であれば、
クリアは、同様に油性のモノを使用した方が間違いありません。
※塗装(着色)とトップコート(クリア)の成分を合わせる、
と言う事は、塗装の基本と理解しておいてください。

もちろん、いろいろな組み合わせが可能だとは思いますが、
なんせ私も、その様々な組み合わせを試しておりませんので、
何とも分かりません。・・・というより、
水性塗料でギター塗装をしたことがないので、
はっきりと言えないのですよ。

プラモデルの塗料、そう、田宮の水性アクリルを
イメージしていただければ良いと思います。

これは上の写真の裏面。
【品名/合成樹脂塗料】と明記されています。
このようにホームセンターなどには、大きく分類して、
油性ラッカーと水性ラッカーの2種類が陳列してあるはずです。
ご自身でスプレー吹きをするとき、臭い等の問題がなければ、
ギター制作には、いわゆる「油性」のラッカーをオススメします。
※油性・・・の解釈が非常に難しいため、ここでは、
詳しくそれらの内容を説明しきれないと感じたので、
ざっくりと 油性・水性と記して おります。
(厳密に言うと「油性」とは言いません)

※ちなみに「ラッカー」という名称は、固有の名称ではなく
「速乾性の塗料」という意味の総称ですので、混同しないように。
(ポリウレタンラッカー・・・という商品も存在します)

そのほか、ギター塗装には、ウレタン・オイルフィニッシュなどが
ありますが、いずれも私は、それら塗料による本格的なギター製作
経験がないため、説明は差し控えます。
ま、 皆さんも、いろいろ研究してみてください。
(2液性のウレタン塗料は、以前、家具を作った時に使いましたが、
  む〜?ギターには・・・ちょっと・・という感じでしたね)


ちなみに、私がいつも使っているのがコレ。
近所のリフォームのプロショップで、いつも購入するモノです。
(よーするに業務用のお店なのですが、一般にも市販してくれます)

いわゆる業務用のニトロセルロースラッカーですね。
このお店では、「ニトロのラッカー下さい」と言うと
いつも「はいはい、ワイドラッカーね・・・」と言って
この4リットル缶に入れてくれます。
ワイドラッカーというのは、商品名なんでしょうね、きっと。
(ちなみに、このお店では、最小販売単位が4リットルから)

ま、この量で・・・・・・1年以上は持ちますね、私の場合。
でも、最近は・・・・2年以上も持っちゃう・・・か。
なははは!つまり、それだけギターを作ってない・・・
と言うことになるわけなんですが・・・いや、お恥ずかしい。
いやあ、まいったなあ・・・・・
変なとこで、自分の製作スピードが露見しちゃうなんて・・・


じゃ、塗装方法の説明に行きましょう。
この左のイラストは、塗装(着色)時でも、クリア時でも、
またプライマーなどでも、基本的には同じです。
(スプレー缶は、すべてこの要領で・・・)

このように、必ず一定方向から吹き始め、スプレーの霧が完全に
ボディをはずれてから終了・・・という行程を繰り返します。
吹き始めもボディの外から・・・・

つまり、このようにスプレー塗料のロスは相当出るわけですね。
しかし、ボディに当たるスプレーの霧は、常に100%の吐出量で
均等に吹けるわけです。(冬場などは、圧が下がらないように
ホッカイロをスプレー缶に巻いたり、お湯につけて暖めながら
使用したりと、いろいろ苦労しました)

従って、どうしてもこのように、助走の部分と、
(ボディに吹き付ける前から吹き始める)
勢いあまって、吹き終わりの無駄な部分が必要になるわけです。

結果的に、スプレーの1/3くらいは、
空吹きしているようなモノですね。(もったいないですが・・・)
ま、これはコンプレッサーで吹くときも同じ事です・・・・

何回かボディの表や裏、またサイド部分を吹き終えたら、
忘れずに、このようにエッジ部分も吹いておきましょう。
表・裏・サイドの3面を吹いていても、
このエッジ部分にはなかなか塗料やクリアが乗りません。

従って、表や裏・サイドを2〜3回吹いたら、
必ず忘れずにエッジ部分にも1回プシュー。
(このエッジへの吹きつけは、表・裏・サイドに吹き付け、
しばらく時間をおいてから吹いてください。
でないと、 先に吹いた面が乾いていないので、
どんどん吹き付けた塗料が表・裏・サイド面に、
移動していってしまいますので・・・)

このエッジへの塗装やクリア吹きを、しっかりしておかないと、
後でコンパウンドなどで磨いた時、塗装やクリアがボディに
乗っていないため、すぐに剥げてきます。
磨いてる最中に、剥げてきたら・・・・もぉ〜大変ですね・・・

ま、もう一度、最初からやり直しです。
(以前は私もよくやりました。ケッコウ悲しいですよ。
 この「剥げ」た時は・・・・)

泣きを見ないためにも、このエッジへの塗装・クリア吹きは
忘れずに・・・・

エッジへの吹き方は、こんなイメージ。

おっ?
ちょっと前後しましたが、ボディに対するスプレーの角度ですね。
このように吹き付ける面に対して、気持ちはいつも「直角」。
(昔、オレは直角、なんてマンガもありましたねえ・・・
  ま、いーか、そんな事)

距離はですね・・・
スプレーであれば大体30〜40cm離して吹くようにしましょう。
「もったいない」なんて考えて、あまり近くで吹くと、
どろ〜り・・・と、塗料やクリアが垂れてきますので・・・・

垂れると修正が結構大変ですので、基本は「垂れ」はゼロ!の
気持ちで吹きましょう。
ちなみに、私は現在ではほとんど垂れる事はありません。エヘン!
(だって、修正するのが大変なんですもの・・・)

ちなみにコンプレッサーでは、もう少し離した方がよいでしょう。
(圧が高いですから・・・)
状況に応じて(たとえばクリアの濃度や湿度など)
私は、大体40cmから60cmくらい・・・ 離して吹いています。
この塗装(塗料)の説明は、本当に難しくメーカーによっても内容が違うし、
いろいろな樹脂・溶剤の組み合わせがあります。
 従って不適切な表現や、間違っていた知識の上での表記などが多々出てきますが、
そういう部分に気がついた時は、逐次更新していきます。
 従って「あれ?この前読んだのと違う事が書いてある・・・」という事があるかもしれません。
 すいません、なんせ無知な人間が、塗料の事をエラソーに語る・・・こと自体が、
本来は間違っているのですが・・・。
 分かっているようで実は分かっていない・・・という
 私と同じような方々に向かって・・・書いている・・とご解釈下さい。


【まとめ】

このスプレー塗装(ガン吹きも同じ)には、
実は 「とっておきの秘訣」というモノがないのですよ。
結局のところ、「慣れる」しかないですね。

上記のように、いろいろとごちゃごちゃ書きましたが、
じゃ、これを読んで、すぐに完璧に吹けるか!・・・といっても
たぶん無理でしょう。
やはり「数をこなす」のが一番の近道のような気がします。

塗装は、ホントに難しいです。
よーく考えたら、ギター制作の木工作業と塗装作業は、全く別の技術なのですね。
つまり、木工作業を極める!事もギター制作には重要ですが、
全くジャンルが違う「塗装作業」も極めなければなりません。
一緒ではないのですよ。木工と塗装は・・・・・

ここのところを「ギター制作」というジャンルでひとくくりにしてしまって、
木工が上手にできたから塗装も上手に出来るだろう・・・・なーんて、
そんなうまい具合にはいきませんね。
まったく違う技術なんです。

しかし、自分の目標とする「ギター」を作り上げようとすると、
この違う「技術」の、両方を追究しなければならない・・・・わけですね。
なーんとなくお分かりになったでしょうか。

ギター作りには
・・・・「木工」の技術・・・・・

・・・・「塗装」の技術・・・・

の、2つの技術が合体して、はじめて目標とするギターは完成する。
(・・・・いや〜、大変やね・・・・ギターづくりは)

さ、がんばって作りましょー!

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